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2009/02/19

어린 왕자 M君

 楽天のブログでたびたび登場していたM君。今年の7月で就職して丸3年を迎える。ソウルに行くたびに会うのだが、私はなぜか彼の動向が気になる。元気に働いているだろうか、社長によくしてもらっているだろうか、ガールフレンドは出来ただろうか。時折送られてくるM君のメールや、私の韓国語のブログの安否掲示板に残った彼のコメントに一喜一憂したりしている。 

 沖縄に出かけている間にM君から安否掲示板に連絡があった。

 「携帯にも自宅にも電話したけど、応答なし。すぐに電話下さい」とある。携帯に着信記録はない。国際電話カードの番号もメモして出かけなかった。しょうがないので、「身体の具合でも悪いのか、帰宅したら、連絡するけど」と彼のブログの安否掲示板にメモを残した。 

 実は1月末に、M君から珍しく長いメールをもらっていた。「呼吸しても苦しい。左わき腹を下にして横になると、痛くて眠れない。声も思うように出ない。近所の内科に行ったが、どこも異常なし。ソルラルで実家に戻ったとき、行きつけの病院で検査を受けたが、やはり異常なし。今は少し落ち着いてきたけど、この先どうなるかわからない。状態が悪くなれば、連絡も思うようにできないから、メールを送りました」。 

 私は非常に驚いたが、検査の結果に異常がなかったのだからひとまず安心した。ストレスから来るものだろうか、いずれにしろもう少しきちんと検査して、少しよくなったら連絡するようにと返事した。 

 M君は、肋骨を折っていたのだ。手術も無事済み、2日後には退院できるというときに安否掲示板にメモを残したのだった。肋骨骨折だったなんて、そりゃー痛かっただろう。それにしてももっと早い時期にX線撮影でわからなかったのだろうか。 

 今心配しているのは、彼の勤務のことだ。手術を受けるときの社長の態度があまりにもひどかった、人間味に欠けていた、だから僕はすごいショックを受けている、転職する。7月を待って、どこかよそに移るというのだ。この不況下に、3年も勤め上げた会社を辞めて行く所があるのだろうか。  

 韓国の労働現場は、はっきり言って前近代的だ。労働組合がある会社は限られている。労働者の権利よりも経済発展最優先で今まで突っ走ってきた。一流企業とされているサムソンには労働組合もないし、その人間性を抑圧したような会社組織は皆の知るところである。 

 韓国には、M君が勤めているような零細企業が多く、そのほとんどは従業員というより、社長の下僕のような扱いでこき使う。残業手当も有給休暇も、ない。年俸制だが、この3年間昇給の話はなかったそうだ。  

 100年に一度の世界恐慌の今、経済発展、景気回復云々よりももっと大切なことを振り返る時期なのではないか。危機はチャンスだと、いろいろ工夫している企業も出てきた。停滞の中で生き延びる方法はいくらでもあるのではないか。コンピューターの発達で、人員削減はこの先も続くだろう。コンピューターにできないことは、たくさん残されている。闇雲に数字だけを追いかけるのはもういい加減にやめにしたらどうだろう。 

 ということでM君の近い未来をじっと見守るしかない。私は優等生やエリートよりも、M君のように非力で要領が悪いが、感性の鋭いところがある人間に魅力を感じる。어린 왕자 頑張れ。

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