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2010/02/24

奢れる者は久しからず その①

 これは2010年2月24日に公開したブログです。

 私は運転免許を持っていない。夫も持っていない。友人たちの間でも珍しい存在と言われている。大概どちらか一方が持っているか、夫婦で2台も車がある輩もいて、びっくりしたりする。

 したがってマイカーなどという実に面倒なものがないおかげで、駐車の手間もいらない。公共の乗り物に乗るか、テクテク歩くだけである。田舎暮らしや、地方の僻地でもあるまいに、都心に暮らしてどうして必要なのか理解に苦しむ。

 時々、幹線道路を有閑マダムと思しき女性やヤング・ママ(古いね。この表現)が外車や大型国産車にたった一人で乗って運転してるのを見かける。どこへ行くのか知らないけれど、あっけにとられて、私は信号をただ待つのみである。外車はとんでもない大きさ。たまに暴力団のボスかもしれない怖いその手のおっさんが2名か3名ぐらいで乗っているのをバスの中から見かけることもあるが、先のマダム、たった一人で、ガソリンを消耗してCo2を排出し、優雅に走り去るのである。エッセイストの佐藤愛子だったら、怒りの一撃でもくれてやるところじゃないかと私は心中、ひとりほくそえむ。

 (最近の佐藤愛子も85歳は過ぎたから、とんとそのエッセイを読んでないが、50代過ぎた頃のものを読むと、毎日社会に対して怒っているのだ。そのエネルギーたるや、すごい迫力なんだけど、30年前の50代はやけにお婆さんみたいなのでびっくり。最近の50代は若いよね。榊原郁恵も50をとうに越したのだ。相変わらずキュートだ。ほんと、タレントは若い。

 話が横に逸れた。トヨタの話だ。
 リコール問題で今喚問されている社長の態度。どう見ても「奢れる者は久しからず」という『平家物語』の一節を思い出してしまう。

 愛知県の豊田市。「企業城下町」としてずいぶん羽振りのよい時代が続いていたのに、「下請けイジメ」ではかなり有名な企業だったよね、トヨタ

 最近の派遣切り、求職難、大卒、高卒の就職氷河期(私のときもそう言われていたっけ、その昔)。一体この30年で氷河期が何回あったことか。いつも今が最低の時期とマスコミは騒ぐ。常套句なのか、マス・メディアのボキャブラリーが貧弱、貧相なのか。とにかく知恵がないよね。インテリを気取るジャーナリストさんたち! もっと本を読んでお勉強してほしい。そこの若者、インターネットでアダルト・サイトばかり見ていないで、ちょっとは読書に励みなさいな!(だんだんプチ佐藤愛子になってくる)。

 いっそのこと、技術大国の日本で部品をぜ~んぶ作って、USAに持って行き、現地で組み立てればいいのに、などと単純に私などは思うのだが、USAは部品の90%を米国内で作ることを法律上、日本に強制しているのである。現地法人の社長も対応が遅いことこの上ない。かなりアホな面構えだった。大量のアメリカ人失業者が出る州では沈黙しているか、日和見状態で静かにしている。ずるいね、USA!って。

 足の短い日本人と、180センチなぞざらにいる米国とでは、アクセルやブレーキまでの長さ一つとっても違うじゃないの? リコールされるトヨタトヨタだが、米国のわがままにも腹が立つ。ヨーロッパでもリコールが上がっている。もしかして倒産したりして。まさかね。でもJALの株が一枚1円になって会社更生法,つい最近のことだしなあ。

 最近傑作川柳に、

  株主は折鶴折るしかない株券
(TBSラジオ、荒川強啓の月~金帯ワイドニュースの時間に設けられた川柳最高賞)
註:鶴はJALのトレードマーク。

というのがある。最近ロゴを変えて失敗したんじゃないの? どう見たって、鶴のマークに日の丸の大赤字だよ。

 天下のトヨタ。ここぞとばかりのUSAのGM(日本で言えば、日本政府+JALみたいな関係)が漁夫の利を得たりなんかして……。

 「下請けイジメ」のトヨタ、車だけはもちろん武器まで造って密かに輸出する日産。どういうルートなのか皆目わからない。こういうのを「死の商人」って言うんだよね。技術で定評のあるあのホンダでさえ、リコールを受け始めているという話。ああ何をか況や。

 資源のない日本がこの先、生き残っていくには、高い技術力(High Quality)と信頼性(After Care)しかなかったのにね。

 景気の二番底が叫ばれ、あんなに大騒ぎした半世紀ぶりの政権交替も、政治家と金の問題で自民党55年体制と一体どこがどう違うのか、私には皆目わからない。自民党を支持してきた人々に聞きたいところだが(寡聞にして周囲にいない)、ようやく先進国並みに2大政権時代が幕を開け、本当の意味での民主主義がいよいよ始まるのではないかと多少わくわくしてみたりしたんだけど、ね。

 まあもう少し10年くらいは様子を見ないと。野党も与党も育たないよ、こんな中途半端じゃ。野党というものが育たない国だね。

 共産党だけがこれみよがしに正論を吐いてインテリ面して自己防衛に終始している。まさか自民党一党独占時代に戻って(あるいは自公で仲良く政教分離をごまかそうとしても)、私ゃ、ちっとも面白くないくそまじめの日本、特に東京なんかに暮らし続けたくない。かといって急に農作業するほど知識もない。どうするか。亡命か移民か。

 夏の参院選、どうなるか。長い目で見るか、またゼネコンと組んだ昔の田中角栄の「日本列島改造論」(=自然破壊=改悪化)の下、経済右肩上がりを望むのか。
 いずれにしても日本人の民度がひたすら問われるだろう。


 明日はJALについて、「奢れる者は久しからず その②」を書こうかなと思う。ああ、エネルギー切れ。