円高ウォン安で、サイトは相変わらずの活気である。卒業シーズンを控えて各種エステや汗蒸幕の案内も一昔に比べたら随分盛り沢山になってきた。12年前に友人から紹介を受けて時々通っていた江南の永東汗蒸幕(ヨンドン・ハンジュンマク)、あれどうなったんだろうと検索してみたら、ソウルナビのサイトからは見つけられなかった。
そこは、汗蒸幕の草分け的存在で、日本人にも人気があった。多くのリピーターで賑わっていた頃を知っている私としては、腑に落ちない。ネイバーの検索にかけたら、なんと、2007年に閉店したと出た。とうとう閉店したのね。
12年前当時も、IMF金融危機で韓国経済はどん底だった。ウォン安を狙って、外国からの観光客が殺到し、特に日本からは、韓流のその前を行く韓国パイオニアのアガシやアジュモニたちが大挙してソウルに来ていた頃だった。
永東汗蒸幕は女性専用でまだ新しく、その清潔さが日本人好みで、よもぎ蒸し、人参湯、フェイス・マッサージ、全身マッサージetc. と、ストレスの溜まったOLたちにとっては極上の癒し施設だった。でも、当時から経営者が何人も代わったり、従業員や、垢すりのアジュモニたちとの間に金銭トラブルが絶えなくて、ここもいつまで持つだろうと、密かに案じていた。
でもとにかく、2007年まで続いたんだね。後続の汗蒸幕もソウルのあちこちに誕生したようだが、永東汗蒸幕の閉店は、韓国フリークにとって、一つの時代の終焉を意味するような気がしてならない。当時、韓国ドラマなど一つも知らなかった女性たちが、汗蒸幕を通して、なまの韓国に出会ったわけだ。挨拶程度の韓国語だけで、裸の付き合いをしたようなものだ。それから12年。韓国と、韓国フリークの変貌ぶりには眼を見張るものがある。
今では韓国ドラマに接して、本格的に韓国語を学ぶ人が増え、サブカルチャーからアカデミズムまで、韓国に遊学、留学する日本人の数は想像をはるかに超えた。愚かな政治家の一言より、映画やTVドラマの影響がいかに強いかということだ。
飛行機でたった2時間ちょっとの隣国は、そうは言っても、「近くて遠い国」ということには変わりはない。
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