2004年のことだから、もう5年も前の話だ。家人が一人用のスーツケースを買った。四輪駆動なのでとても使いやすく、家人が使ったり、私が使ったりとけっこう使い込んできた。
年末、ソウルから戻るときに、そのスーツケースのサイド・ハンドルがパカッと取れてしまった。サムソナイトのスーツケースだ。インターネットでサムソナイトのホームページを見ると、数年前の購入については、ACE株式会社の担当になっているので、そちらのカスタマーセンターに問い合わせるようにというお知らせが出ていた。
インターネットを見る前に、実は購入した小売店に電話して、事情を説明し「修理したら費用がどのくらいかかるのか、そもそも修理の方法があるのか」と聞いていた。その返答があまりにも不誠実でいい加減なものだったので、メーカーに直接問い合わせることにしたのだ。
ACEのカスタマーセンターに小売店の一件など詳しく電話で説明した。本来なら、こっち持ちで往復4,000円ぐらいの宅配便代をかけた上に、修理代が3,000円前後かかるという話だった。先方は小売店のことがひっかかったらしく、その店の連絡先を教えてほしいとのこと。
翌日、カスタマーセンターから電話があって、小売店の不誠実な態度(のちほど修理に関して連絡すると言っておいて結局、連絡さえなかったのだ)についてはよく承知した、ついてはスーツケースを着払いで送ってほしい、検討して、折り返し連絡するとのことだった。早速送った。
さらに翌日、連絡が入った。「サイド・ハンドルは付け替えることができます。2週間ほどでお届けできます」という話だった。私は、「必要経費を持ってもらうのでは恐縮する」と伝えたのだが、構わないとのこと。あとはスーツケースが戻ってくるのを待つだけになった。
そして、思いの外早く、戻ってきたのだ。サイド・ハンドルはもちろん、ハンドルも念のために新しいのと付け替えたとメモにある。今後ともACE製品をよろしくと添えられていた。
サムソナイト製品は、今はACE委託販売ではなくなり、サムソナイト自体が売るようになったらしい。先般、あるデパートでサムソナイトの出店を覗いたら、ルイヴィトンを思わせるような高級なスーツケースの販売に力を入れていることがよくわかった。スーツケース販売も競争が激しくなり、差別化を図ったものと思われる。
ACEは昔から浅草にある鞄、バッグの老舗だ。使い勝手の良いバッグなど、私も長く愛用してきたものが多い。今回のカスタマーセンターの対応は特別なことだったにせよ、自社製品に誇りを持って、消費者に良心的に対応している様子がよく見てとれた。おかげで愛用のスーツケースは当分使えることになったが、次回必要があれば、サムソナイトではなく、ACEの製品を検討しようと思った。
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