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2009/05/15

ヒスンさんからのメール

 ヒスンさんのことを覚えている人がいるだろうか。楽天で書いていたとき、晋州時代の友人としてよく登場していた女性だ。小学校のベテラン教師で、敬虔なクリスチャン。私が2年間暮らしたワンルーム・アパートに程近い所に暮らしていたので、週に1度は会っていた。保証人の先生の奥さんが同僚の彼女をわざわざ紹介してくれたのだ。 

 晋州を去るとき、彼女は巨済島に引っ越していたので、会うのはむずかしかったが、たまたま実家に戻ったときに連絡が入り、ワンルームまで顔を見に来てくれた。私も病気ですっかり元気を失くし、彼女も巨済島での生活がつらいと言って、二人でため息をつき、玄関でしばらく抱き合って別れを惜しんだ。  

 その後、メールのやり取りをするでもなく、韓国に行くたびに彼女のことを思い出していたが、電話もせずにそのままにしていた。昨日、そのヒスンさんからメールが来た。筆不精の彼女からメールが来るなんて、ちっとも期待していなかった。光州から釜山に戻るとき、途中ワンルームのある町を通過して、涙が出そうになったが、ヒスンさんもあの町にはもういないしなあと思ったりした。 

 彼女のメール。「晋州に戻ったのよ。上の娘も地元の高校の2年生、下の息子は中学生になった。あなたのことは以前ブログで知っていたけど、コンピューターの調子が悪いまま、アドレスもどこかへ行っちゃって。元気なんでしょ? とにかくメール下さい」とあった。慣れない巨済島を去って、故郷の晋州に戻ってきたんだ。本当によかったね。子供たちもいつのまに大きくなったんだろう。そうだね、あれから4年経ったんだね。 

 あの光州行きがなんだか呼び水のようになって、またヒスンさんに会えたような気がする。不思議な気分だ。6月に韓国に行ったら、電話してみよう。私は早速長い返事を出した。

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