Gamila日記
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2009/05/08
飛ぶ矢は飛んでいない。
その昔、大学の哲学の講義で老教授が繰り返し言っていたゼノンの「飛ぶ矢は飛んでいない」というパラドックス。結局、この講義で唯一心に残った一節だ。「飛ぶ矢は飛ばない」。「飛んでいる矢」を微視的に観察すると、止まっているというのだ。永遠に目的地に届かないというのだ。わかったようなわからないような話に当時はキョトンとしていた。今ならわかる(ような気がする)。
死んでしまった者はこの世には生きていないけど、いつまでも私の心の中で生き続ける。生きることはほんの束の間の話に過ぎない。でも、死んでしまったら永遠の生を得る。よく生きることはよく死ぬことだ。
二律背反とういうか、パラドックスというべきか、最近、そういうことにハタと行き当たって、ニンマリしたりすることが多くなった。あの老教授はとっくに亡くなってしまったが、そのワンパターンの講義はあながち無駄には終わらなかった。
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