春が来て、晋州の乾燥した春も思い出した。山火事があちこちで起きて、大気は極端に乾燥し、喉の弱い私はいつも春に寝込んだものだ。たいして熱が出るわけでもないのに、喉の痛みといつまでも続く乾燥に身体がついていけなくなるのだ。ワンルームでひとり横になっていると、異国の空の下、私はひとりなんだなあとしみじみとした気分になる。ひとりでいることをこよなく愛するにしても、やはり今でも大陸の春の乾燥を思い出すと、そこはかとない荒涼とした気分に浸れる。
チンダルレが咲いて、ケナリのまっ黄色の大群に圧倒され、サクラが咲き始めると、晋州は暑くなってくる。その陽射しの強さは、韓国南部特有の日の光だ。冬もさほど寒くならず、オンドルの温もりに怠惰な日々が流れていく、そんなことを美容院の椅子に座ったままありありと思い出して、近いうちに晋州に行きたいという衝動にかられた。
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