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2008/10/27

言論の自由

 チェ・ジンシルの自殺をきっかけに韓国では言論を取り締まろうという与党の動きと、それに反対する野党の主張が表立ってきた。もちろんネチズンの反応はさまざまだ。  

 言論の自由を封じようとうする与党政府には反感しか抱けないが、自由な言論の前提には自ずとルールがあるのは当然のこと。このルールが韓国では大きく外れることが多い。根も葉もないことを堂々と言ったり書いたり、事実を歪めて発表したり、人格攻撃をしたりとネチズンの世界は、日本で言えば2ちゃんねるの様相を呈しているらしい。私自身は2ちゃんねるはほとんど見たことがない。見ても有益なことはないと思っているから。 

 意見を闘わしたり、相手の考えの矛盾を突いたりするのはなんの問題もないが、相手の人格攻撃にまで至るのは行き過ぎだ。リベラリズムの基本はヒューマニズムに基づいた是々非々の考え方だ。同じ人間として相手を尊重した上で堂々と意見を言い合うのがいい。偏った考えではなく、常に現実を冷静に観察した上で、いいものはいい、悪いものは悪いと判断できる思考力が要求される。

  何でも自由にものを言うことと、正しい判断の下でリベラルな意見を言うことはまったく違うことだ。後者のようになるには常日頃の勉強と努力が必要になってくる。安易な同調、浪花節、右顧左眄、日和見主義は排除されるべきだと私は思う。そのための努力は個々人の問題になってくる。  

  民主主義は非効率的で時間がかかるものだ。でもその非効率性を嫌っていたのでは本当の意味の民主主義=リベラリズムは実現しないだろう。

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