韓国のトップスター、崔真実(チェ・ジンシル)が10月2日の早朝、亡くなった。まだ40歳という若さで、自殺したと報道されている。
「私の人生最後のスキャンダル」という人気ドラマをついこの間まで見ていたので、あのコミカルな演技と魅力的な姿態がいまだに生々しく残っていて、どうにもその死が信じられない。
2005年から今年に至るまで、韓国では芸能人の自殺が相次いでいる。私が知っているだけでも5人いる。それも現役のバリバリばかりだ。それだけ社会的衝撃は大きく、ネチズンたちの反応もすさまじい。
韓国は世界有数のインターネット大国だ。その分、ネチズンの度の過ぎた書込みも多く、芸能人でなくとも傷ついた人々は数知れないだろう。その背景には、肖像権、知的所有権に対する認識の低さがある。
今でこそ、両者に対する権利意識、守秘義務など少しずつ浸透してきたといえるが、それまではコピーのし放題で、それは画像に限らず、書籍に至るまで、平気で人の労作を簡単にコピーしてしまうという無神経ぶりが目立った。あれほど米国の影響が強い国で、なぜ、この点に関しては、米国を見習わなかったのか、不思議である。
チェ・ジンシルの死の直接的な原因はわからない。わからないが、どうやらネチズンによる根も葉もない噂に悩んでいたことは確からしい。それにしても離婚後、あんなにたくましく雄雄しく女優業に専念していたのに、突然、ポキッと折れてしまったのか。彼女のたくましさに尊敬さえ抱いていただけに、その死が惜しまれてならない。
彼女の死は韓国社会の病んだ一面を曝け出したように思える。軍事政権から民主国家になって、たかだか16年ぐらいしか経っていない。今、韓国社会のあちこちでひずみが浮き彫りになってきている。彼女の死をきっかけに少しでも改善されればいいのだが。
0 件のコメント:
コメントを投稿