このブログを検索

2008/10/02

ああ、狂乱のワコール・バーゲン

 都内某所であったワコール・バーゲン。最近太り気味のため、仕方なく私も足を運んだのはいいがそこで見た現実に驚愕した。

 ブラジャー・コーナー。AカップからGカップまであらゆるデザインのものがワゴンに並べられていた。A,Bのコーナーに人があふれていたが、年配者から20代まで平日の午前中、何をして食ってるんだかわからない女性たちがほとんど狂乱状態の中、サイズや色合いのことでワコール社員を質問攻めにしているのである。
 
 「このデザインの黒がほしいんだけど」と、しわがれた声で言う女性がいたので振り向くと、あなたにはもう黒は似合わないわとしか思えないようなくすんだ肌色の60代は超えていると思われる女性が立っていた。

 いくつになっても女は女なんだなあと妙に感心してしまったが、自分に似合う色くらい間違いなく選んでほしいと密かに思うのだ。

 「このピンクじゃなくて、ほら、あそこにある、あのピンクよ。ないの?」さっきからけたたましく叫んでいる30代と思しき女性。彼女独特の大好きピンクがなくて、社員に詰め寄っている。ピンクと一口に言っても、ブルー系とイエロー系があるし、パステル調、ペイル・カラーなど、その色合いは多岐にわたる。彼女がこだわるピンクが見つかったかどうかは知らない。私は直にパジャマのコーナーに移動したので。

 若い頃は下着にお金をかけたりはしない。タンクトップにシャツを羽織っただけで、十分に美しい。でも、ノーブラで通用する期間は短い。地球の重力の法則で、長く生きてくれば胸は垂れ下がってくるのが自然の流れだ。だから補整という意味で、年齢とともに下着を正しくつけなければならなくなる。

 外側から見ただけで、この人はちゃんとした下着をつけているかどうか、なんとなくわかるのはなぜだろうか。いかにも不潔な下着を着けていることだってわかってしまう。下着さえきちんとしていれば、上にオークションで落とした古着のTシャツを着ていてもかまわないと私は思う。

 それにつけても女性たちは美しいランジェリーが好きだ。会場はうっとりした彼女たちの視線が交錯し、こ、こんなスケスケ・ルック、誰が着るの?と思われるようなデザインでも、私でさえちらっと目が向いてしまうのだ。

 女性は自分のために下着をつける。誰かに見せるためということは数えるほどしかない。早い話がナルシストなのだ、女性は誰でも。ナルシズムを満足させるために、バーゲン会場は殺気立つ。

0 件のコメント: