知人の中にたまにいるよね。生まれて育った家に今も住み続けている人、結婚して出たけど、今もその家が存在する人って。私からすると、まるで宇宙人のように思える。根無し草の私から見ると、いつでも帰っていく家があるってこと、うらやましいような、かったるいような。
プラス思考で考えれば、私は世界のどこに行っても適応できるような気がする。根っこがないからタンポポの種のようにフワフワとどこにでも飛んで行って、そこに落ち着くことができるような気がする。根っこのない気安さ、身軽さしか知らないから、安定した住まいという喜びにも関心がない。
繊細な感受性と、どこに行っても暮らせるたくましさとの両方を兼ね備えているとしたら、こんなに強いことはないんじゃないか。人は財産でも持ち家でも、あるからそれに固執する。なんて愚かしいことなんだろう。裸で生まれて裸で死んでゆくのにね。
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