このブログを検索

2009/07/05

生まれ育った家が今でもある人

 生まれてから、何回転居したかわからない。赤ん坊の時代に少なくとも2回、幼稚園は3回、小学校は4回変わった。高校に入って1回、結婚して2回、都合12回になる。生まれた家は、確か間借りだと聞いた。12回のうち一戸建ては2軒だけ。そのうちの1軒は隣家のドジな主婦のせいで全焼した。持ち家でなかったからよかったようなものの、住む家はいつも仮住まいだった。  

 知人の中にたまにいるよね。生まれて育った家に今も住み続けている人、結婚して出たけど、今もその家が存在する人って。私からすると、まるで宇宙人のように思える。根無し草の私から見ると、いつでも帰っていく家があるってこと、うらやましいような、かったるいような。  

 プラス思考で考えれば、私は世界のどこに行っても適応できるような気がする。根っこがないからタンポポの種のようにフワフワとどこにでも飛んで行って、そこに落ち着くことができるような気がする。根っこのない気安さ、身軽さしか知らないから、安定した住まいという喜びにも関心がない。  

 繊細な感受性と、どこに行っても暮らせるたくましさとの両方を兼ね備えているとしたら、こんなに強いことはないんじゃないか。人は財産でも持ち家でも、あるからそれに固執する。なんて愚かしいことなんだろう。裸で生まれて裸で死んでゆくのにね。

0 件のコメント: