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2009/04/15

ノ・ムヒョン前大統領に失望する韓国国民

 韓国が大変だ。大変というより、非常に大切な時を迎えたという感じがする。ノ・ムヒョン前大統領が現役時代に100万ドルのお金を受け取っていたということが発覚し、それが収賄に当たるのか、目下、検察の調べが入っている。当時の100万ドルが何億ウォンに相当するのかよくわからないが、清廉潔白、政治とお金の癒着を誰よりも排除しようとしたノ・ムヒョンにして、そんな莫大な金を受け取っていたという事実は「ブルータスお前もか」と、大いなる落胆と失望を韓国国民に与えていることは事実だ。 

 所詮、権力にはお金が集まるものだという諦めにも似た感情が湧き起こっている。ノ・ムヒョンを支持した多くの民主化運動の人々や、イ・ミョンバク現政権に対するダーティイメージがないまぜになって、今、韓国は大いに揺れている。  

 当時は、ノ・ムヒョンを慕う会まで出来て、民主化闘争の人権派弁護士として今までに見られない新しいタイプの政治家の登場に熱狂し、数々の困難を乗り越えてとうとう大統領にまでなったのに。そしてインターネットの時代を象徴するかのように、無党派の若者をインターネット投票に駆り立てたのに。既成の古い政治家のタイプではない、身をもって韓国の民主化を体現してきたような彼も結局お金には勝てなかったということなのか。  

 イ・ミョンバク=以下、2MBと言おう。2MBは今、独裁に走っている。その端的な政策は、言論の自由を封殺していることだ。YouTubeという全世界を圧巻している動画サイトがあるが、ここは匿名で参加できる、ある意味無政府状態を許す世界である。そこが、実名でないと投稿できないという韓国政府の意向を拒否したのだ。 

 実名で投稿するなんて、そんな馬鹿なことがあるだろうか。匿名で好きなことを自由に投稿するからこそ、本当のことが見えてくるのだ。新聞、TVに対する韓国政府の介入は到底理解できない。そんな民主化に逆行している2MB政権の中で若者を中心に反権力の運動が盛り上がりを見せてきた矢先のノ・ムヒョン発覚というタイミング。 

 ノ・ムヒョン支持者の中には、それでも彼を支持したいというけなげな人々もいる。こんな2MB政権下だからこそ、真の民主主義を模索していくべきだという考えなのだと思う。そうでなければ、現政権の思う壺に入ってしまうではないか。 

 1992年に金泳三の民主政権が樹立して17年目、韓国は今、岐路に立たされている。成熟した民主化を成し遂げるためにも、今が正念場だと思う。一人の政治家だけで事が終わるのではない。長い眼で見たときの、その国の民主化の成熟度が問われているのだ。国民の意識の方が、一歩も二歩も先を行っていると思うから、私は期待して見ている。 

 それにつけても、日本はだらしない。民主化を自らの手で得なかったし、何の疑問も持たずに当たり前のこととして受け入れたからね。おぞましい自民党一党独裁の歴史が終わらないではないか。なし崩し的に国民は定額給付金を受け取って、飼い慣らされていくのか。民度の低い日本の政治、私は期待できない。 

 政治意識が芽生えてしかるべき学生たちは、いかに格好よく自分を見せようかとファッションに血道をあげるか、大麻に手を染めるかのどちらかだ。アホを通り越して、馬っ鹿じゃなかろうか。いや、馬や鹿には悪いけどね。

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