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2010/05/15

5月2日日曜日 帰国

 6日目のソウルと言っても、今日は早朝に仁川に着いて、ただ成田に戻るだけの日だ。前日、ヒョッチャのご主人から「いくら早起きでも、万が一のことを考えてホテルにモーニングコールを頼んでおいた方がいい」と言われ、夜明けの4時にモーニングコールを頼んだ。

 結局ホテルからのベルがなければ起きられなかったところだ。ソウル6日間の疲れが溜まっていたのだろう。スーツケースは前の晩にふらふらになりながら(オリンワンジャの話を聞くのにくたびれた模様)パッキングしておいた。乾燥防止用の化粧水だけはリュックサックに入れて、つけていた下着も丸めてリュックへ。頭はボーっとなっている。仁川行き始発リムジンは4時50分。7時から有効の朝食券は無駄になるだけ。スーツケースがやけに重たく感じる。買い物はほとんどしなかったし、増えた印刷物は李氏の博士論文ぐらいなのに、重たく感じる。それだけ私が疲れていたということか。 

 空港は7時過ぎから開く店ばかりなので、全体にどんよりと暗く、その中でようやくチェックインを済ます。ただし、化粧水が100ミリリットル以上だから機内持ち込み禁止だと言われ、しかたなくリュックに入れて、リュックごと預けた。これがまずかった。 

 リュックの外側ポケットには成田に着いてすぐに使えるようにとチェーン付の財布を入れておいた。大金はショルダーバッグの封筒に入れておいたが、リュックの財布には、パスモ、デパートのカード、数千円が入っていたと思う。 

 成田に着いて、手荷物を受け取り、すごい速さでリムジンバスの受付に走る。箱崎行きはあと2分で出るというので、その便にしたものの、なんとリュックのポケットにあるはずの財布がないではないか。やられたと思った。急いでショルダーの中の封筒をまさぐって一万円札を出し、事なきを得た。同じポケットの奥に入っていたショッキングピンクの小銭入れはそのまま無事だった。自販機で緑茶を買うことができた。

 手荷物受け取り所に戻ったところで財布が見つかるとも思えない。仁川でやられた可能性もある。成田の可能性はうすい。わざわざチェーンを外して財布を抜き取り飛行機に乗せたんだろうなあ。大金が入ってなくてよかったし、デパートのカードがインターナショナルではないものだったので、これまたよかった。帰りにデパートに寄り、紛失届けを出すつもりだ。 

 化粧水の容器は100ミリリットル以下にしよう。財布は預けてはいけない。勉強になりました。 

 P.S. 携帯の写真で仁川で1枚、成田に着いてリムジンで1枚セルフ写真を撮ったのだが、表情がまるで違うのには我ながら驚いた。前者は緊張に満ちた顔、後者は晴れやかな顔をしているのだ。財布を盗まれたにもかかわらず、これ以上ないという喜びに満ちているのだ。1年ぶりに一人でソウルを訪れ、無意識のうちに顔を硬直させながらソウル市内を経巡っていたに違いない。本人は楽しい気分のつもりでも実際の顔は緊張でこわばっていたのだ。

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