2024年9月放映のNHKスペシャル「封じられた第四の被爆」をようやく見た。
1958年のアメリカによる核実験のせいで、海上保安庁の測量船「拓洋」と「さつま」の乗組員が被爆し、拓洋のチーフ機関士が1年後に白血病で亡くなった。その折、厚生省の役人から、「被爆線量は微量だったので、あまり騒ぎ立てないように」と、遺族に口止めがあったという。厚生省のいう微量は、何か事実に基づいた数字ではない。アメリカからの大雑把な情報を拝借したものに過ぎない。
NHKの調査報道によって、別の乗組員の歯に残っていた線量がわかった。歯には70年前以上の線量が確かに残ったままだという。約140ミリシーベルト。この線量に専門家は一様に驚愕した。
当時、日本は岸信介内閣。60年安保締結を最優先させて、この第四の被爆は闇に葬られた。
1957年には、アメリカの要求により、被爆線量の許容量を出すようにという申し出に、日本の原子力専門家は、具体的な数字を提供した。その直後、1954年の第五福竜丸の被爆からストップしていた核実験が再開され、広島の600倍ともいわれる規模の核実験が太平洋のあちこちで行われ、1958年の拓洋、薩摩の被爆に至る。
当時、日本の原子力専門家は、近い将来、原子力平和利用の時代に移行していくのだから、アメリカの言う通りにして、新しい時代に備えるべきだと述べている。
政府一丸となって、アメリカの核開発に従うという、戦後一貫してアメリカ追随を続けてきた日本政府に今更ながら、強い怒りと失望を覚える。
今の高市政権がトランプ一辺倒なのも、70年前の岸信介内閣と全く同質のものだ。
主権国家とは名ばかりの、底の浅い日本の政治風土。
闇に葬られた無辜の民の声を、今一度聞いてみよう。
NHKスペシャルは、NHK Oneでも見ることができる。多くの人に是非見ていただきたい。調査報道の模範だと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿