「心に刺さる」
「心に残る」ということを言いたいのだろうが、「刺さる」というのは、本来、「とがった物の先が何かの表面を突き破って、中に入ること。例 とげが刺さる」(三省堂「新明解国語辞典」)ということだ。とげが刺さったら「痛い」、刺さったら困るという気分などどこかに消えてしまい、「感動」したり、「印象に残る」とか、「心に残る」というつもりで使う人が増えてきた。誹謗中傷や、特定の人の言葉が「刺さって」、心が傷ついた、というのなら、まだ理解できるが、「心に刺さって」感動し、今後の行動にまで影響してくる、となると、やはり首をかしげたくなる表現だ。
「真摯に」
政治家や、不祥事を起こした当人、会社の人間が謝罪の折に頻繁に使うが、いまだかつて「真摯」であったためしはない。安倍政権の頃から乱用されてきた記憶がある。「真摯に逃げ切る」という意味合いまであるのだろうか。
「多大なご心配とご迷惑をおかけした」
これも謝罪の折に枕詞のように使われるが、迷惑かけられたけど、心配なんかしてないよ、といつも思うのは私だけだろうか。
「遺憾に思う」
本来は強い非難の表明のはずなのだが、そういう雰囲気は微塵も感じられない。「上から目線」の無意味な言葉にしか思えない。
0 件のコメント:
コメントを投稿