今年のノーベル平和賞が、日本の被団協(日本原水爆被害者団体協議会)に送られた。この団体は1945年の広島・長崎原爆投下後、1954年のUSAによる水爆実験の犠牲になった第五福竜丸事件の後、1956年に結成されたものだが、原爆の直接の被害者による地道な反核運動としては世界初のものである。
2017年にICAN(International Campaign of Abolish Nuclear Weapons)核兵器廃絶国際キャンペーンがノーベル平和賞を受けたとき、これより半世紀以上前から活動していた被団協の存在をどう考えているのかと思った。同時受賞でもよかったのに。
それが今年、今更のように平和賞を受賞した。この背景について、イギリスBBCが、イスラエルのガザ虐殺に対して活動する国連の組織UNRWARや、オランダのハーグにある国際司法裁判所を平和賞の対象にしていたが、イスラエル、USAの圧力で断念したということがあるのではないかという報道をしている。今、目の前にある人道危機に対処しようとしている組織の活動を前面に押し出せなかったノーベル財団の忖度について問題にしている。
USAのダブル・スタンダード、イスラエルの暴虐性、ホロコーストに対する過度なアレルギー、トラウマの根は深い。でも、よく見てほしい。イスラエルは「ユダヤ主義」という錦の御旗の下、自分たちがやられたようにパレスチナ、アラブの人々を殺し続けている。この事実をUSAは見て見ぬふりをして武器支援を続けている。狂った世界だ。
ともあれ、せっかく被団協が受賞したのだから、核兵器禁止条約にまずはオブザーバーとして参加することを期待するしかないね。