最近、TVやラジオのコメンテーターが「目配り」というところを「目配せ」と言うことが多い。「目配り」は「あちらこちらに目を向けて注意すること」(三省堂新明解国語辞典)であり、「目配せ」は、「眼だけを動かして、気持ちを表したり、何かを知らせたりすること」(同辞典)である。1字ちがいで全く意味が異なる。
政治上の問題など「目配り」すべきことを、「目配せ」と言って、平気な顔をしている。だからなのか、「目配り」されるべきことはおろそかにされたまま、「目配せ」だけして、何事も進まないのだろうか。
最初に「目配り」を「目配せ」と言った人は、何もしたくないから、眼だけ動かして終わりにしたかったのだろうか。不可解な現象だ。言葉を発することを商売にしているなら、もう少し発する言葉に「目配り」をしてほしいものだ。
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