「奢れる者は久しからず」シリーズもちょっと飽きてきちゃって、まだ外務省、防衛省などを残したままになっているが、今はちょっと遠ざかりたい心境。この粘りのなさが私の最大の難点であることは誰よりも自分でわかっている。
渋谷の文化村ミュージアムで5月9日までやっているタマラ・ド・レンピッカ展を覗いてきた。グリーンのドレスに身を包んだ本人の肖像になんか魅力を感じたのよね。あのグリーンがよかったのか、彼女の豊満な肉体がよかったのか。彼女は1898年、ロシアに生まれ、後にアメリカに亡命して1980年に亡くなった。彼女の遺志によりその遺灰は火山の上に撒かれたらしい。どこの火山で誰に託したのか忘れてしまったが、そんなことより亡くなった後まで自分の身の振り方を指示して死んでいったということに私は惹きつけられる。
結婚も2度ぐらいしたようだし、娘も一人産んでいるみたい。数え切れないほどの肖像画を頼まれ、彼女特有の筆裁きでなかなかいい味を出している。
写真の時代を迎えてからは彼女自身が写真のモデルとしてよく登場するようになる。自分が一番美人だと思っていたんだろうなあと、独特のポーズと焦点不明のやるせない視線にこれまた釘付けになったのだ。
結婚、同棲と多くの男性との暮らしがあったようだが、アールデコのワンピース姿の彼女からは生活感というものがまるで感じられない。たぶん、相手の男性は料理好きだったのではないかと思える。そして娘だ。
この娘が生きているとして80代だ。どこでどうしているのか、愛憎相半ばだったであろうはずの母に対してどういう思いを抱いて年老いていったのか。とても興味がある。タマラ自身も娘との時間を過ごすよりは、娘をモデルにした絵画の時間をより好んだそうだ。まあ、自分勝手な者だよね、芸術家って。でもあこがれるな。
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