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2023/09/01

汚染水

  放射能に汚染された液体を「汚染水」と言って、何が悪いのだろうか。「汚染水」を「処理水」と言い換えて良しとする安直な思考には腹が立つ。 

 アルプスで「処理」されたといっても、あのドラム缶の66%はトリチウム以外の核物質が取り払われていないままだというのに。「アルプスのフィルターにもう一度かけて、トリチウムだけにできます」と、東京電力の人は言っていたが、信用できない。

 900トン近いデブリに直接触れた地下水に、一体、どのような核物質が生じているのか、誰にもわからない。デブリを取り出すのを40年後としているが、その可能性を信じている者もいないだろう。

 海に放出するという非常に安易な方法しか思い浮かばなかった現政権のポンコツぶりは今更いうまでもないが、どんなにお金がかかったとしても、もっとマシな方法を選択できなかったものだろうか。

 海に放出すれば、海の生物たちに、放射性物質は沈殿していくだけだ。環境汚染以外のなにものでもない。百年後の未来を考えるのなら、今からでも遅くない。海への放出をやめて、もっと科学的根拠に則った、汚染水処理の方法を考え直すべきだ。